2017年10月12日

目に見えぬ鎖。

先日、千原ジュニアさんがテレビで話していたことが、とても印象深い内容だったのでご紹介します。

それは、ジュニアさんがドラマの撮影をしていた時の話。
車を盗むシーンで、「シートベルトをしてください」と指示が入ったそうです。
コンプライアンスに問題がある、ということだそうで。

それについて、ジュニアさんは「車を盗むような奴が、わざわざシートベルトをするはずがないでしょ」という話をしていました。
僕も、全くそれに同意します。
シートベルトをしないのが倫理的にダメだというなら、「車を盗んで逃げる」という行為そのものもテレビで流しちゃダメじゃないですかね。

一見すると、このようなコンプライアンスの高まりは、倫理性の高まりと捉えられるかもしれませんが、私はそうではないように思います。
そういう変なところまで気を使わないといけないような世の中になってしまったのか、という情けない気持ちになります。
もちろん、色々な世代が見るからこその配慮、というものは必要でしょうけどね。

こういった状況は、倫理性の高まりではなく、低下ではないかと私は思うのです。
当たり前のことを、当たり前のこととして、きちんと捉えられない、教えることができない弊害が、このような形で現れているのだと思います。

ちょっと話がずれますが、僕は昔ダウンタウンの番組が大好きで。
「ごっつええ感じ」のビデオを借りて見返したりするんですが。
昔の番組って、結構タバコ吸ったりするシーンがあるんです。
でも、今は全然ありません。

たしかに、見る年代によっては教育上よくないかもしれません。
だけどね、そういうものに蓋をして、見えないようにすることが、本当に世の中のためになるんですかね?
僕は、こういうのは「多様性の排除」に繋がるんじゃないかと思うんです。

例えば思春期なんてのは、大人の決めた道徳的なレールに乗っていなくても、自分が色々な情報を得ながら、同世代間の価値の比較をすることで、アイデンティティを確立していくことが重要です。
それが、自分らしく生きられる大人になれるかどうかの違いでもあり、多様性と競争力の源だと思うのです。

やむを得ない面もあるとは思いますが、そこまで倫理性を求めるのであれば、テレビ放送はNHKだけに限定すればいい。
僕は千原さんの話を聞いて、「本当につまらない世の中になったな」と思いました。

例えば、火遊びなんて、絶対にしちゃいけないことですが。
そういう“悪さ”って、親に隠れてするからこそ面白いのであって。
たしかにそれだけ見ればよくないことなんだけど、貴重な経験でもあるんです。

テレビっていうのは、疑似体験なのであって。
価値の多様性を学ぶ機会でもあると思うのですが。
倫理性の高い、賢い大人たちが、その機会を奪っているのではないか、と思える。

そんな、目に見えぬ鎖につながれた、息苦しい、つまらない世の中になってるんじゃないか。
そんな風に思うんです。


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posted by メタマネ佐藤 at 23:01| Comment(0) | 日記
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