2011年12月26日

メタマネむかしがたり “先生と呼ばれるほどのバカでなし”

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もう今年も、残すところあとわずかとなりましたね。
「今年の汚れ、今年のうちに」ではないですけど、今年中に片付けるべき仕事は、今年中に済ましておきたいものです。

さて。

私もこの仕事について15年あまりが経ち。
「知らぬ間に、結構長くやっているなぁ」と思う昨今。

忘れられないご利用者様、というのも何人かいらっしゃいます。
今日はそんな、ひとりのご利用者様の話。

私がこの仕事に入って間もない頃、その方と出会いました。

県内の普通科高校の、校長を歴任してきたという独り暮らしの男性。
常に背筋を伸ばして、かくしゃくとした話し方をされる方でした。
また、自宅の庭で、数百種類の茶花を育てている粋人でもあり。
デイサービスに来られる時は、数種類の茶花を摘んで、その名前と謂れを教えてくれました。
照れ屋で頑固な所もあり、核心は豪快に笑ってごまかす、というような方でもありました。

そんな方でしたから、地域の中でも知り合いが多く、よく「○○先生」と他のご利用者さんから呼ばれたりしていたのですが。
そんな時は決まって「先生と呼ばれるほどのバカでなし」と笑顔で切り返し、その場を離れていました。

ある時、僕はその意味を本人様に聴いてみました。
すると、
「前は学校の先生なんぞをしていたが、それはただ仕事でやっていただけのこと。
今はただの、独り暮らしのジジイだから。
先生と呼ばれることを、当たり前のように思うようになると、普通の人付き合いができないようになる。」
と言われていました。

この言葉、とても胸に響いたのを覚えています。

つまり、人は常に“謙虚”でなくては、自分を見失う、という意味ですよね。
社会的に見れば、間違いなく「偉い先生」の言われた言葉であっただけに、真実味をもって、私の心に響いたのだと思います。

結局その方は、理由を言わずにデイサービスをお辞めになりました。
だけど、その方の笑顔やお人柄は、私の胸に生き続け、今でも大切な何かを教えてくれています。

今更ながらですが、“ご利用者様から”“現場から”学ぶ。
この基本ができなくては、対人援助職としての成長は無い、というのが、私自身の信念とするところでもあります。

大切なのは、経験は量や長さではなく、経験の質が大事、ということ。
経験を、自分なりにどう解釈して、意味付けるのか。
どう活かすのかは、“自分次第”ということです。

つまり。
こうした出会いは、この仕事に就いている、みなさん誰もが“経験している”はず。
それを自分のなかで意味付ける作業。
それが「現場から学ぶ、ご利用者様から学ぶ」という事だと私は思うのです。

そうした経験を、ご利用者様から与えていただき。
私も時々、色んな場所で講演などをさせて頂くようになり、「先生」と呼ばれることも増えてきました。

しかし、それを当たり前のように思わないように。
先生と呼ばれることの意味と、自分の役割をよく噛み締めて。
「先生と呼ばれるほどのバカでなし」を胸に、もっと成長できるように、頑張って勉強したいと思っています。
posted by メタマネ佐藤 at 20:52| Comment(4) | むかしがたり
この記事へのコメント
出会いは必然であり運命、しかしその後をどうするかは自分次第ということですね(*^^)v
また、私も利用者様から「先生」と言われますが、利用者様こそ「先生」と思って接しています。
「先生」とは“先に生まれた人”と私は思いますので、年上の人は皆「先生」ですし、自分以外を師と思って生きていきたいです(#^.^#)
Posted by メタボセラピスト at 2011年12月26日 22:06
かの松下幸之助さんも、「自分以外はみんな先生」と言われていたことがありました。
自分以外の人から、常に学びを得られる人、というのは素敵ですね。
なかなか実行するのは難しいことですが、常にそうありたいものです。
Posted by メタ at 2011年12月27日 22:12
またまたありがたい内容です。

私もまさしく、この職に就き日々利用者さんや家族、事業所の方々…
出会う人、出会う人に学ばせていただく事ばかりです

人の出会いってすごいですね
これからも出会いを大切にがんばります
Posted by T at 2011年12月28日 21:00
まさに一期一会ですね。
私は、この仕事に「出会う」ことが無かったら、今の自分は無いのだろうな、と思うと、時々怖さすら覚えます。
利用者様とのふれあいを通じて、こんなに有り難い仕事をさせてもらえるということに、感謝したいですね。
Posted by メタ at 2011年12月29日 21:08
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