2012年05月14日

連載「バイステック」〜個別化の原則その3〜

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月曜日は、先週に引き続き、バイステックの連載記事4回目です。

7原則のひとつ「個別化」。
前回は、クライエントを個別的に捉えるために必要とされる、“ワーカーの資質”について取り上げました。

本日は、クライエントを個別的にとらえる手段について、具体的に見ていきます。
これらはあくまでも一例にすぎませんが、その中には実際の援助場面で活用できる方法でもあると思いますので、ご参照ください。

1 きめ細かく配慮すること
面接時間の設定ひとつとっても、相手の個別の事情を踏まえて、配慮のある声かけをすれば、クライエントは「自分のおかれた状況を分かってくれている」と実感しやすくなる。
クライエントから得た生活情報を、こうした実務に活用する。

2 面接時にはプライバシーに配慮すること
面接時にどのような環境で行うか。
多いのは面談室で行う場合だと思われるが、その環境がしっかりプライバシーに配慮された作りになっているかどうかがポイントになる。
プライバシーに配慮することは、クライエントの秘密を保持して、信頼感を醸成しようとしている“機関側の態度”を伝えることになる。

3 面接時間を守ること
時間を守るのはある意味当然のことだが、他のクライエントの対応に時間を要したり、その他やむを得ない緊急事態によって時間が守れない場合もある。
こうした時に、クライエントに不安を抱かせることがないように、誠実に対応することに努める必要がある。

4 面接の準備をすること
単純なことではあるが、面接の前に、以前書いたケース記録に目を通す時間をとる。
こうすることによって、前回の面接の状況を思い返すことができ、これから行う面接の目的を、ある程度絞りこんでおくことが可能となる。
また、ワーカー自身のケースに対する集中力を高める上でも役立つ。

5 クライエントを活用すること
課題の解決に必要なことについて、可能な範囲でクライエント自身にしていただく部分を増やす。
ひらたく言えば、個別的な自立支援の視点から援助すること。

6 柔軟であること
援助には一貫性が必要であるが、時に柔軟な修正が必要になる場合がある。
一概に柔軟性は、物事を安易に受け容れることを意味するものではない。
柔軟性を身に着けるということは、ワーカーとして対応の幅が広がること、支援者としての成長を意味している。

以上が、バイステックが挙げている「個別化の手段」。
バイステック自身も述べていますが、これらはあくまで一例に過ぎません。

なので他にも、クライエントが個別的な対応として、「個人として尊重されている」と実感できるような“方法”というのはあると思う。

例えば、クライエントの状況に応じた面接時間の取り方や、時間配分を考える、とか。
その方のニーズに応じた社会資源を紹介するとか、資料を準備してお渡しする、とか。

こうしたことも「細やかな配慮」に入ると思いますが、大切なのは“具体的に”“意識を持って”“実践すること”。
個別化の原則のニーズを満たす、という狙いを持って取り組むことです。

そういう視点から捉え直せば、いくらでも“個別化の手段”は増やせます。
それが、バイステックの言う「柔軟性を持つ」という意味でもありますから。
posted by メタマネ佐藤 at 19:49| Comment(0) | バイステック
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