2012年06月18日

連載「バイステック」〜統制された情緒的関与〜

さて、本日は7原則の3つ目、「統制された情緒的関与」に入ります。

これは平たく言えば、「ワーカーは自分の感情をよく吟味して関わりなさい」ということですね。

バイステックはこの原則について次のように述べています。

ケースワーカーが自分の感情を自覚して吟味するとは、まずはクライエントに対する感受性を持ち、感情を理解することである。
そして、ケースワーカーが援助という目的を意識しながら、クライエントの感情に、適切な形で反応することである。

つまりこれは、「感受性」「理解」「反応」の3つの要素からなる、と言っているのですね。

さて。

感受性で重要なのは、特にクライエントの感情に対する感度。
クライエントの感情表出については、前項で書きましたね。

感情の表現は言語のみによらず。
表情や態度、声の大きさや話し方などによって、より顕著に現れます。
丁寧な言葉使いであっても、そうであればこその静かな怒りの表現や、悲しみの表現ということもあり得る。
文脈や、会話の流れ、面談や支援の経過なども総合的に見ながらアンテナを働かせます。

そして得られた情報を、関連性のなかで解釈する。
面接を繰り返すほどに、クライエントの感情に対する深い繋がりを意識するようにします。
理解を深める為には、ストレスに対する防衛規制を学んだり、生活歴から聴取される発達段階における課題の整理、人間の行動原理等について、学びを深めておくことが役立ちます。
私のつたない支援経験から言えば、アイデンティティ形成に関する洞察を深めていくことが、ご利用者様に対する理解を深める近道であるように思います。
平たく言えば、本人の人格形成に影響を深く及ぼしているのは何か、注意深く観察する、ということです。

そして、反応する。
この部分こそ、本項のもっとも重要な部分。

ケースワーカーが、クライエントの感情にいかに反応するかは、援助関係におけるもっとも重要な心理的要素であり、もっとも難しい部分である、とバイステックも述べています。
この点については、私も全く同感。

適切な反応を返す、と一言に言っても。
何をもって適切とするかは千差万別で答えがない。
こちらとしては、ベストというよりよりベターな反応をしたつもりでいたとしても。
相手がそう受け取ってくれるとは限らない。
もともと反応そのものを求めていない場合もある。
「ただ聞いてもらえればいい、深く立ち入らないで欲しい」というような人もいらっしゃるわけです。

つまり。

クライエントの感情に参加していく時には、自分の感情をよく吟味しておきなさい、ということで。
ただし、「正解はコレ」というものがありませんから、そのつもりで、しっかり感受性を働かせなさいよ、と。

ただ、それではあまりに漠然としていますよね。

そこで、私は次のようなことをイメージして、面接に臨んでいます。

反応は、「真摯さ」が相手に伝わるようにしよう、ということ。
その点において、精度を高めることはできると思っています。

それは。

クライエントにいかに真摯に向き合うか、自分をごまかさないように向き合うか、ということに他ならないからです。
その為に、自己を内観していく必要があると。

果たして、それができているのかどうか?

うむむ、修行が足りんぞな……。
posted by メタマネ佐藤 at 23:06| Comment(0) | バイステック
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