2012年07月16日

連載「バイステック」〜非審判的態度〜

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今日は海の日。
とんでもなく晴れ渡っている“晴れの国 岡山”。
暑いなんてもんではございません。
すでに“痛い”というほどのレベルでした。

また、海の日は同時に、「ソーシャルワーカーディ」でもあるんです。
どうぞ以後、お見知りおきくださいませ。

さて、そんな今日。
連載「バイステック」も第5原則に突入です。
いよいよ「佳境」といったところでしょうか。

第5原則は「非審判的態度」。
これは読んで字の如く。

「自分の価値観で、クライエントのことを一方的に非難しない」ということですね。

言ってみれば、これがすべて。
だが、「言うは易し、行うは難し」とは、まさにこのこと。
7原則の中でも、もっとも実践の難しい原則と言えるでしょう。

早速バイステックの定義を見てみましょう。


クライエントを一方的に非難しない態度は、ケースワークにおける援助関係を形成する上で必要なひとつの態度である。
この態度は、以下のいくつかの確信に基づいている。
すなわち、ケースワーカーは、クライエントに非があるのかないのか、あるいはクライエントが持っている問題やニーズに対して、クライエントにどのくらい責任があるのかなどを判断すべきではない。
しかし、我々はクライエントの態度や行動を、あるいは彼が持っている判断基準を、多面的に評価する必要はある。
また、クライエントを一方的に非難しない態度には、ワーカーが内面で考えたり、感じたりしていることが反映され、それらはクライエントに自然と伝わるものである。


この定義について、大枠での理解は先に述べた通りで良いとして。
重要なポイントが2つあると、僕は思います。

まず一つ目は、「我々は、クライエントの態度や行動、判断基準を多面的に評価する必要はある」としているところ。
“非審判的態度”という言葉を意識しすぎて、“評価する”ことまで置き去りにするな、ということですね。

例えば、自分の家族を「殺したいほど憎い」という人がいたとして。
私たちが相談にあたるとき、そのクライエントの訴えについて「それは良くない」とか、一面的に判断するのは間違い。
だけど、「なぜそう思うのか」という所は、しっかり見なきゃいけないわけです。
生活歴やイベント、性格や判断基準などを多面的に見て、その人を評価していかなくてはならない、ということですね。

そして、2つ目のポイント。
「ワーカーの内面的態度は、相手に伝わる」というところ。

…そうなんだよね、本当にその通り。

私たちだって人間ですから、いかにご利用者さんといえども、あんまりなことを言われたり、されたりすると、「イラッ」とか「ムカッ」となります。
あるいは自分の価値観に照らして、あまりにかけ離れている人に対して、「嫌」とか「面倒くさい」というネガティブな発想を持ってしまったり。
そんな風にクライエントを「評価」してしまうと、その場の対応だけでも相当な苦痛になったりもします。

こうした態度については、接近と逃避の二択で見ていくと分かりやすいでしょう。
先の例は、明らかに逃避の態度。
これに対して「非審判的態度」というのは、相手を「否定する」のではなく「解釈する」態度であるため、「理解しよう」と接近の態度になって現れてくるはずなのです。
そうするとクライエントは、「ああ、この人は理解してくれようとしているんだな」と感じることができる。
この実感が、信頼関係を形成する上で大切なんですね。

だから、どのような「反応」をしたかではなく、どのような「態度」でクライエントに向き合ったか。
その点を問うているのです。

すなわち非審判的態度というのは、自らの価値判断基準に対する洞察と、自らの普段からの接し方、態度に至るまで、きちんと自己評価できるようにならないといけない訳です。

まぁ、そこまで考えると、完璧にできる人はおらんわな。
誰も皆、いまだ道半ば。
そう考えた方が良いんじゃないかな、と思ったりします。
posted by メタマネ佐藤 at 21:40| Comment(0) | バイステック
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