2012年08月27日

連載「バイステック」〜秘密保持その2〜

さて、バイステックの連載記事、秘密保持の第2回目です。

今日はまず、クライエントの「秘密」と「個人情報」の違いについて。

クライエントの「秘密」とは、必ずしも法の定めるところの「個人情報」にとどまりません。

法律で見る個人情報とは。
「生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述などにより、特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができるものを含む)をいう」となっています。

つまり、法の定める個人情報には、亡くなられた方のものは含まれないわけですが。
だからといって、故人の情報をみだりに公開することは、倫理的に見ると明らかにNGですね。

バイステックの言う秘密保持は、“信頼関係を醸成する”という観点に立っていることを踏まえると、「法的にどうか」ということよりも、むしろ「倫理的にどうか」という点について、より重きを置いて確認する必要があるだろうと思います。

この倫理的義務についてバイステックは、@自然法的秘密、A秘密保持を約束した上で伝えられた秘密、B打ち明ける相手に扱いを一任した秘密、に分けて捉えることを述べています。

では、それぞれの違いについて見てみましょう。

まず、自然法的秘密。
これは、他者に知られると、その人の名誉が著しく毀損されたり、傷つけられたりするような情報を言います。
それが例え真実の情報であったとしても、それによって評価を下げられるような恐れのある、個人的な秘密。
つまり、個人の評価を、秘密の暴露によって、不当に侵害してはならない、ということを意味します。

続いて、秘密保持を約束した上で伝えられた秘密の情報。
これは、読んだままですね。
要するに、「誰にも言わないでよ」という前提に語られた秘密、という事を意味します。
こうした条件付きの秘密は、最大限の配慮を受けるべきですが、例えば社会的な秩序や、他社との利害関係に影響を及ぼす場合などに於いては、必ずしも絶対的な秘密保持の対象とはなり得ません。

最後の、打ち明ける相手に扱いを一任した秘密。
これは「どうするかはあなたに任せます」という条件付きの秘密になります。
こうした秘密の情報がもたらされるということは、一定の信頼関係が前提となった上に成り立っている、と考えることができます。

とはいえ、これは多くの機関で見受けられることですが、クライエントは明らかに情報弱者であり、結局は「身を委ねるしかない」という大きな不安を前提として、“秘密を打ち明けている”ということを、私たちは認識すべきでしょう。

でも、実際にはどうでしょう?

なかなか難しい場合が多いんじゃないか、と思うんですけどね……。
posted by メタマネ佐藤 at 23:29| Comment(0) | バイステック
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