2012年09月22日

メタマネむかしがたり ばぁちゃんのかりん酒。

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なんだか、すっかり秋らしくなってきましたね。
コオロギだのスズムシだのの鳴き声が聞こえてくると、なんとなくセンチメンタルになってくるというものです。

ましてや、風邪引いたりして、少し体が弱っていたりすると、なおさらのこと。
昔のことを思い出したりします。

そんなわけで、今日は久しぶりのむかし話。
ばあちゃんがよく作ってくれた、思い出の“かりん酒”の話でもしましょうか。

このかりん。
漢字で書くと「花梨」。
“花の梨”と書くだけあって、見た目は梨に似ています。
とても良い香りがするけど、そのままでは食べられない。
だから、それを果実酒なんかにして飲むわけです。
のど飴の成分になったりしてるから、察しがつく人もいるでしょうが、このかりんは「のどに良い」と言われているんです。

僕は小さい頃喘息持ちでしたから。
体調が悪いときには、よくこのかりん酒をばあちゃんに湯割りで作ってもらって飲んでいた、という訳です。

そして、これがまた、香りがよくて美味い。
でも、お酒ですから、元々子供の飲み物じゃあない訳で。
喘息の発作が出たときくらいしか、飲ませてもらえない。

苦しいのは嫌だったけど、ばあちゃんのかりん酒を飲ませてもらえるのなら、まんざらでもなかったですね。
どうしても欲しくなって、目を盗んで隠し飲みしたりして。
でも、香りが強いし、お酒の臭いもするから、絶対ばれちゃうんだよね。

そうこうしている間に、僕も大人になって。
いつ頃からかな、ばあちゃんもかりん酒を作らなくなって。
かりんの木も、無くなった。

あれは枯れてしまったのだろうか?
どうしちゃったのか、今一つ思い出せないのだけれど。

祖母が亡くなったのは、今から16年前の丁度今ごろ。
旅立ちの日は、それまでの暑さや天候不順がウソのような、晴れ渡った秋空で、「ああ、ばあちゃんにピッタリだな」なんてことを思っていました。

僕はとにかくばあちゃん子で。
僕にとっては“祖母”というより、“親が3人いる”というような感覚でした。

とにかく、勝ち気で短気で。
根性一筋の開拓農民でしたから。
今思い出しても、それはそれは、強い人だった。

なんでだろうな、最近あまり思い出してなかったよ、ばあちゃんのこと。
まぁ、お彼岸ですからね。
こういう風に、故人を偲ぶということも大切ですよね。
今の自分がいるのは、それに連なるご先祖様のお陰な訳ですから。

ああ。
また飲みたいなぁ、ばあちゃんのかりん酒を。
posted by メタマネ佐藤 at 22:54| Comment(0) | むかしがたり
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