2013年03月02日

感動体験 もうかー。

私たちが在宅を支援していく上で欠かせないのが、家族の介護力に対するアセスメントであろうと思います。

それは、不遜ながら「見積もり」という言い方が、しっくり馴染む感じがします。

介護保険には支給限度額が設けられていますし、「どのようなサービスを提案するか」ということは、常に介護力の見積もりと、平行して行われるものであると思います。

今回の感動体験は、そうしたところから生まれたエピソードです。

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感動体験

要介護5で、言語障害があるご利用者様がいらっしゃいます。
以前は「もうかんにん」としか言われなかったのですが、今はもう少し短縮され、「もうかー」と言われます。
私が訪問させて頂くと一生懸命に「もうかー」と話して下さいます。
主介護者は、その方の奥さま。
普段はデイケアを週3日、ショートステイを毎週1泊2日で利用しています。
そんなある日、奥様の肝臓に腫瘍が見つかり、急遽入院することになりました。
同居している息子様が電話をしてくださったときに、私はショートステイを長く利用するか、老健に入所することなどが、頭に浮かびました。
しかし息子様は「デイケアでリハビリをしているおかげで元気なので、なるべく今のペースを崩さずに、近くに住む妹と協力して乗り切りたい。」と言われました。
私が家族の介護負担の事ばかりが頭にあったのに、家族様は本人様の身体状態の事を一番に考えて、「今のペースを変えたくない」と。
その言葉にとても感動しました。
その時の担当者会議の席で、デイケアの方も夕食を摂ってから送ることを提案してくれたり、送迎時間を遅らせることも出来るなど、いろいろな意見を出してくださいました。
家族の温もりに触れ、大変感動しました。

コメント

本人様が変わらず自宅で過ごせるようで、本当に良かったですね。
介護をされていた奥さまの入院となると、私も○さんと一緒で、ショートや短期の入所がパッと思い浮かびます。
しかしご家族様は皆で協力され、またサービス事業所の方も出来る限りの協力をしてくださるようですので、ありがたいですね。
主介護者の体調不良では、自宅で過ごせなくなってしまう場合も仕方のないことですが、本人様にとっては変わらず自宅で安心して過ごせるのは何より嬉しいことですね。
奥様が一日も早くお元気になり、ご自宅に帰られることをお祈りします。

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この感動体験を読んで、改めて「家族の介護力」ということの意味について、考えさせられました。

介護力というのは、単なるマンパワーの問題ではない。
情緒的なつながりや、本人や家族の存在意義に関わる「絆」の強さが試される、と言えるのではないだろうか。

支援者とはいえ、家族の中にあるそうした繋がりは、いつでも明らかにされる、というものではない。
しかし、困難に遭遇したときに、その真価を発揮できる場合もあれば、繋がりの弱さや本質を、露呈してしまう場合もある。

まぁ、どちらが“良い”とか、言えるものではないのですが。
家族の絆の強さを目の当たりにすると、「この仕事をしていて本当によかった」と改めて感じさせられます。
逆に、家族の繋がりの弱いケースの場合は、「このような家族のあり方もあるんだなぁ…」と気付きの機会が得られます。

色々な家族のあり方に出会い。
その数だけ、私たちには学びがある。

「やはり、現場に勝る教師はない」と改めて認識できた、感動体験でした。
posted by メタマネ佐藤 at 20:37| Comment(0) | 感動体験
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