
本日も日曜日恒例、メタボケアマネが独断と偏見でお届けする、勝手にメタセレクション。
本日取り上げるのは。
浦沢漫画の金字塔、「マスター キートン」です。
浦沢直樹といえば「21世紀少年」とか「YAWARA」、「MONSTER 」なんかを代表作としてあげる人が多いのではないかと思います。
とにかく、出すマンガは長編の大ヒット作品ばかりなので、全てが代表作と言っても過言ではないくらいなんですが、その中でもこの「マスター キートン」に、私はただならぬ思い入れを持っているのです。
なぜならば。
このマンガの主人公であるキートン先生は、「こんな大人になりたい!」と私に憧れを抱かせた存在だからです。
ちょっとだけ,キートン先生の経歴を紹介すると。
日本人とイギリス人のハーフで、オックスフォード大学を卒業した考古学者。
その一方で、イギリスの特殊部隊、SASのサバイバル教官を務めていた経歴を持っています。
現在は、大学で講師を勤める傍ら、ロイズ保険組合の調査員として、数々の難事件を解決に導いています。
はっきりいって、すごすぎ。
「そんなやつぁおらんやろ!(by 大木こだま)」と言いたくなるような感じです。
人柄はというと。
とにかくマイペースで、穏やかで、腰が低い。
ちょっと優柔不断で、自信が無さそうな感じで。
かとおもうと、言うべき時にははっきりと、おだやかに相手に伝わるように話すんです。
その腰の低さが、なんとも言えず“カッコ良い”ように思われるんですねぇ。
なんというか、「実るほど 頭を垂れる 稲穂かな」という感じ。
そして、時々語られる登場人物の一言が、なんとも言えぬ名言だったりするんですね。
ストーリー展開も様々で、ハードボイルドあり、人情話あり。
中でも、特に心に残っているのが、キートンが少年時代に出会った、バスのおっちゃんの話。
ある日、バスのおっちゃんと仲良くなったキートン少年。
おっちゃんは、運転手をしている時はキリッとしているのだけど、バスを降りると、ただの気弱な飲んだくれ。
1日の仕事を終えると、空っぽな自分に気づき、酒に飲まれ、チンピラにボコボコにされてしまう。
そこにさしかかるキートン少年。
今までの人生の失敗がのしかかり、みじめさに押し潰されそうになっているおっちゃんを、なんとか慰めようとするキートン少年。
おっちゃんは、「俺もガキに心配されるようになっちゃおしまいだ。2度と友達なんて思うな」てなことをいう。
それからしばらくして。
ある日、キートンは友達に誘われて度胸だめしに行くが、結果としてみんなで迷子になって、大人たちに大迷惑をかけてしまう。
誘った方の友達は、日頃のやっかみと、責任逃れで「アイツが誘ったから悪いんだ」と、キートンに濡れ衣を着せようとした。
回りの大人たちも冷たい目を向ける中、唯一庇ってくれたのが、そのおっちゃんだった。
おっちゃんは、「俺の友達にそんな目を向けるな」と毅然として言う。
そしておっちゃんは、キートンをとっておきの場所につれていく。
それは、夜明け前のコーンウォールの海。
次第に色を変え、瑪瑙色に輝く海を前にしながら、おっちゃんは誓う。
子供ではなく、一人の友人に語る。
「おれも、もう一度立ち上がろうと思う」と。
おっちゃんのテーマである、「人生の達人」になるために。
この「人生の達人」という言葉が、当時の僕には“どストライク”だった。
シブすぎでしたね。
全編、こんな綺羅星のようなエピソードが目白押し。
全体的にアカデミックで、おしゃれで、ホロリとする感じで。
とにかく、一生大切にしたいマンガです。
そんなマスターキートンも、第1巻の初版を見ると、もう20年以上も昔のこと。
その頃憧れてた大人に、自分はどれだけ近づけたかな……。
う〜〜ん、バツイチってとこだけ一緒だわ ( ;∀;)
人生の達人には、ほど遠いっす ρ(・・、)
